
ナショナル・シアター・ライブ
INTRODUCTION
判事として活躍するジェシカは子供を支える母親でもある。
ある日、仕事と母親としての立場の両方に重圧がかかる出来事が起こるが、
果たして彼女は乗り越えられるのか?!
CAST

ロザムンド・パイク
ジェシカ・パークス役
英ロンドン出身。
ナショナル・ユース・シアターで舞台経験を積む。007シリーズの『007 ダイ・アナザー・デイ』でボンドガールに抜擢。デヴィッド・フィンチャー監督作『ゴーン・ガール』(14)でアカデミー主演女優賞にノミネート。『リバティーン』(04)では英国インディペンデント映画賞助演女優賞を受賞。過去作に『キュリー夫人 天才科学者の愛と情熱』や『パーフェクト・ケア』(21)(第78回ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞)、『プライベート・ウォー』(19)、『しあわせはどこにある』など。また舞台の出演作に『ヒッチコック・ブロンド』(02)、『夏と煙』(06)、『ガス燈』(07)、『サド侯爵夫人』(09)、『ヘッダ・ガーブレル』(10)があり、本作が15年ぶりの舞台復帰となる。

ジェイミー・グローヴァー
マイケル・ウィートリー役
英国出身。
BBCの「ウォーターロード」でのアンドリュー・トレネマン役でよく知られる。最近では、ブリストル・オールド・ヴィック劇場で上演された『科学の子』にてパトリック・ステプトー役を演じた。その他の出演作には、パレス劇場での『ハリー・ポッターと呪いの子』におけるハリー・ポッター役、『騒がしい舞台裏』におけるオールド・ヴィック劇場でのギャリー・ルジューヌ役がある。テレビシリーズでは『アガサ・レイズン』、『宇宙と時間の冒険』、『ザ・クラウン』シーズン5、『アガサ・レイズン』シーズン1-4、『シェイクスピア&ハサウェイ』シーズン4など、そして映画では『ウディ・アレン ロンドン・プロジェクト』『愚かなものたち』『聖なる人生』『クロージング・ナンバーズ』『裏切りの時代』など。ロイヤル・セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ(セントラル)卒業後、長年にわたり英国演劇界で活躍するジェイミー・グローヴァーは、古典劇から現代劇まで幅広い役柄でその多様性と深みが高く評価されている。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでの初期出演から、ウエストエンド舞台で称賛を浴びたハリー・ポッター役まで、グローヴァーは常に観客を魅了する圧倒的な演技を披露し続けている。

ジャスパー・タルボット
ハリー・ウィートリー役
英国出身。
ジャスパー・タルボットは、ナショナル・シアター初出演となる新進気鋭の俳優。2024年に王立演劇学校(RADA)を卒業し、演技学士号(Hレベル)を取得。それ以前はブリストル・オールド・ヴィック演劇学校で基礎コースを修了し、ナショナル・ユース・シアターで研修を受けた。RADA在学中、2023年ヘンリー・マーシャル賞ファイト部門において「最も観客を魅了したファイト演技」で観客賞を受賞。2024年、チチェスター・フェスティバル・シアターでの『レッドランズ』でミック・ジャガー役を演じ、プロの舞台デビューを果たした。
『インター・エイリア』では、ロザムンド・パイクとジェイミー・グローヴァーが演じるジェシカとマイケルの息子、ハリー・ウィートリーを演じている。彼の演技は、ナショナル・シアターで高い評価を得ているこの家族ドラマに、新たな魅力をもたらしている。
ロンドン・アルメイダ劇場にて上演予定の『美の系譜』(2025年10月21日~11月29日)でニック・ゲスト役を演じる。
身長は175cm。

STORY
ジェシカ・パークスは聡明で思いやりがあり、ロンドン刑事裁判所の著名な判事としてキャリアの頂点に立つ真の異端児だ。職場では一件一件の裁判を通じて制度を変革し挑戦を続けている。しかし法衣を脱いだ彼女は熱狂的なカラオケ好きであり、愛情深い妻であり、子の支えとなる親でもある。働く母親たちの誰もが直面する無理な綱渡りの日々をこなす中、ある出来事によって彼女の人生は完全に均衡を崩し・・・。
果たして彼女は家族を支え続けられるのか?

Press Review
★★★★
ロザムンド・パイクは
目を離せない、生命力に満ちた
息をのむような演技を見せた
- Evening Standard
★★★★
思慮深く力強く心に響く
- TimeOut
★★★★
ロザムンド・パイクは最高だ
- The Guardian
★★★★
ロザムンド・パイクは久々の舞台作品で
完璧な演技を見せた
- The Telegraph
★★★★
見事なまでに緊張感あふれる
感動的なドラマ
- The Independent
★★★★
ロザムンド・パイクは
圧倒的な存在感と
圧倒的な緊張感と迫力で
突き進む
- The i Paper
★★★★
ロザムンド・パイクの
圧倒的な存在感
- Daily Mail
★★★★
ジャスティン・マーティンによる
見事な演出
- What's On Stage
作:スージー・ミラー
スーザン・「スージー」・ミラーは、オーストラリアの劇作家、台本作家、脚本家、そして弁護士です。彼女は40以上の戯曲を執筆しており、2008年にエディンバラ・フェスティバル・フリンジで初演された『Reasonable Doubt』で初めて注目を集めました。彼女の最も有名な戯曲は『プライマ・フェイシィ』で、2022年4月にロンドン・ウエストエンドのハロルド・ピンター劇場で、オーストラリア人のジャスティン・マーティン演出、ジョディ・カマー主演により上演されました。この作品は、2019年にシドニーで大成功を収めてから3年後に、2023年ローレンス・オリヴィエ賞で最優秀新作プレイ劇賞と最優秀主演女優賞を獲得しています。
演出:ジャスティン・マーティン
オーストラリア出身の演劇、映画、テレビのディレクターで、主にイギリスで活動しています。2021年には、スージー・ミラー作の戯曲『プライマ・フェイシィ』を国立劇場で単独演出したほか、演出家スティーブン・ダルドリーとのコラボレーションでも知られ、その一つが『ストレンジャー・シングス:ザ・ファースト・シャドウ』で、2023年12月に初演を迎え、2025年6月現在もウエストエンドで上演中です。ダルドリーとの出会いは、『リトル・ダンサー』で、アソシエイト・ディレクターとしてダルドリーの『スカイライト』『オーディエンス』(両作品ともNTLiveで上映)にも参加しています。彼の作品はブロードウェイでも上演されました。BAFTAテレビ賞を「Together」で受賞し、ローレンス・オリヴィエ賞では『プライマ・フェイシィ』と『ストレンジャー・シングス:ザ・ファースト・シャドウ』で最優秀演出家賞にノミネートされています。
セット・衣裳デザイン:ミリアム・ブーター
劇場、オペラ、ダンスの分野で国際的に活動する受賞歴のある舞台デザイナー。2023年に『プライマ・フェイシィ』でトニー賞最優秀装置デザイン賞にノミネート。『ストレンジャー・シングス:ザ・ファースト・シャドウ』で2024年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀セットデザイン賞と2025年トニー賞最優秀装置デザイン賞をW受賞しています。
照明:ナターシャ・チヴァース
ロンドンを拠点とする照明デザイナーで、25年以上にわたるキャリアを持っています。2007年に『サンデー・イン・ザ・パーク・ウィズ・ジョージ』でローレンス・オリヴィエ賞最優秀照明賞を受賞。2016年にアルメイダ劇場の『オレステイア』、2023年に『プライマ・フェイシィ』でそれぞれ同賞にノミネートされました。
作曲:エリン・ルカウント/ジェームズ・ジェイコブ
エリンはエセックス出身で独学でアーティスト、歌手、ソングライター、プロデューサーに。2017年に「The Voice Kids」の決勝進出で注目されました。/ジェームズは音楽プロデューサー、ソングライター、作曲家で「ジャクウォブ」という名義でも活動中。プロデューサーとしてリトル・シムズ、シャイガール、ジョイ・クルークス、ニア・アーカイヴス、オーロラなどとコラボレートし、ラナ・デル・レイ、ロビン、チャーリー・XCXらアーティストのリミックスも手掛けています。
音楽監督:ニック・ピンチベック
ロンドン音楽大学で学び、その後、音楽監督(MD)やマルチインストゥルメンタリストとして業界で幅広く活躍してきました。ナショナル・シアターの『ロンドン・タイド』(24)でMDを担ったほか、ウエストエンドの『民衆の敵』『クルーレス』『なぜ私はこんなにドジなのか?』、アンドリュー・ロイド・ウェバーの『シンデレラ』などにアソシエイト、もしくはアシスタントMDとして参加している。
サウンド・デザイナー:ベン&マックス・リンガム
数々の賞を受賞している作曲家、サウンドデザイナー、作家。20年以上にわたるキャリアの中で、彼らはイギリス、ウエストエンド、ブロードウェイで200以上のプロダクションのサウンドデザインと楽曲を手掛けてきました。
『プライマ・フェイシィ』でも音響デザインを担当。
ビデオ・デザイナー:ウィリー・ウィリアムズ フォー トリートメントスタジオ
ロンドンのトリートメント・スタジオの創設パートナーで、ライブイベントやコンサートツアーのデザインと演出を手掛けています。『プライマ・フェイシィ』でも映像デザインを担当。

作家スージー・ミラーより
―― 判事であるということについて(『インター・エイリア』本国プログラムより抜粋)
ラテン語の inter alia は「その他のことの中で」という意味で、法律の世界で使われる用語です。しかし、ここでは働く女性たちが日々の暮らしをどのようにやり繰りしているかを象徴しています。
女性たちは仕事においても並外れて努力していますが、それは「その他のこと」との両立のうえに成り立っています。その「その他」とは、家族の生活を調整すること、心の負担を引き受けること、家事をこなすこと、急な出来事に備えることなどです。ある女性はこう話してくれました――「私は自分の人生を、他の人たちの人生の“隙間”で生きているんです」と。彼女は仕事をしながら、学校に着ていく服やお弁当、食事の準備、送り迎え、さらに家に来る業者への対応まで背負っているのです。
母親であること、妻であること、職業人であること、そして社会の中の一人の女性であること――その間にある目に見えない境界線を、女性たちは常に行き来しなければなりません。その重なりや相反する期待は、最善を尽くしても困難であり、しばしば圧倒されるものです。さらに女性にはもう一つの層が加わります。それは、「すべてをやり遂げようとする女性」への社会的な評価のまなざしです。
作中のジェシカは“判事”であると同時に、“評価される側”でもあります。母親として、選択の仕方として、働く時間として、女性らしさとして、フェミニズムとして、パートナーとして――あらゆる点で彼女は判断されるのです。そして、多くの女性がそうであるように、ジェシカ自身もまた自分を“裁いて”いるのです。